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垣内光司 @ CCA北九州(ちょっぴり専門的記事)
3/30に、建築家・清原昌洋氏と共同主催している建築系イベントARCH(K)INDYのvol.11を開催します。
ゲストは、中央アーキのメンバーの一人、坂下加代子さん。そして、八百光設計部の垣内光司さん。すでに注目度が高く、これからさらにメジャー街道を駆け登るであろう若手建築家を、豪勢に2人もお招きしています。ぜひご来場ください。熱き建築ナイトにしましょう。
ゲストの一人、垣内光司さんは「現代美術センター・CCA北九州」の招聘作家として現在、福岡に長期滞在されています。
今回の記事投稿の目的の一つは、CCAに足を運び、垣内氏のインスタレーションを観ることを激しくお勧めすること。アーキンディに参加予定の方は、尚の事、ぜひ御覧ください。実は本日24日までなんです。
そもそも、こんな歴史ある充実したアート施設の存在を僕も清原氏も全く知りませんでした。
CCAとは、北九州市の「グローバルな視点から運営される現代美術の公的な研究、学習機関」とのこと。
15年の歴史の中で、招聘されたアーティストはとにかく超豪華。例えば、建築家としてCCAに招聘されたメンツは、白井晟一、篠原一男、レム・コールハースなどなど。このメンバーのレクチャーにはオーディエンスがそれぞれ6人ほどしか集まらなかったという、なんとも知名度の低い素晴らしき施設とプログラム・・・。
廃校になった小学校の体育館がギャラリーとして使われています。
ぜひ、CCAにご来場ください。八幡駅から徒歩圏内。駐車場もあります。
所在地: 北九州市八幡東区尾倉2-6-1 3階
電話: 093-663-1615 FAX: 093-663-1610
開館時間: 10時から17時
垣内さん始めて設計した建築作品で吉岡賞というビッグタイトルをとっているれっきとした建築家ですが、現在の彼を有名たらしめているのはその吉岡賞受賞作品よりも、「Do It Yourself」と名付けた、築100年の京町屋の耐震改修プロジェクト。
(会場には彼の建築プロジェクトの模型なども展示されています)
今回のインスタレーションでも、彼が目をつけたのは「八幡傾斜地における空き家」
八幡に限らず、傾斜地に建つ住戸は、住人の高齢化とともに空き家化し、重大な社会問題になっています。
この、深刻な社会問題を、彼はコミカルな設定で来場者に体感させてくれます。
空き家周辺整備を仕事とする、架空の「おっさん」を設定し、CCAのギャラリーにおいては「八幡製作所」と名付けた、この「おっさん」の作業場と休憩所がインスタレーションとして創りだされています。
そして、会場から徒歩30分ほどのところにある一つの空き家のオーナーに主旨を説明して協力を仰ぎ、インスタレーションの一部としています。
この二つのインスタレーションをめぐることで、八幡を体感するというアートプログラム。
僕が興味をひかれるのは、彼はこうした改修プロジェクトをDIY・・・「Do It Yourself」と呼んでいること。今流行りの「リノベーション」という言葉を一切使わないのです。そこには、ある明確な意思を感じます。
ちなみに僕は本日、クラシノさん主催の「リノベーション・カフェ」にて講師を努めます(笑)
古きモノに新しい価値を付加する、という点では、垣内氏がとりくむ「DIY」も「リノベーション」も同じことなのでしょうが、この言葉の使い方へのこだわりは何でしょうか。
その辺りは、30日のアーキンディにて深く掘り下げてみたいと思っています。
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