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つくられる光景
福岡市で工事が進む(仮称)G-House。
先月末に、最後のコンクリート打設を無事終えました。
職人不足が全国的に深刻で、型枠大工の手配ができず、請負業者である藤匠住宅のメンバーが、社長以下社員全員で型枠工事に取り組むという異例の事態に。
真夏の灼熱地獄の中、迅速に、そして高い精度で型枠を組み上げている職人(?)の皆さんに対し、そこに立って眺めているだけで倒れそうになる僕・・・。本当に頭が下がる思いです。
G-Houseは、家づくりのプロセスを趣味の延長として「映像としてキチンと」記録に残そうと決めて最初の工事現場です。現場監理の際は一眼レフを持参し、意識して撮影をしました。
今日は、予定がキャンセルになり、今までやりたくてやれなかった写真の整理に取り組んでいます。それと久しぶりのブログ更新。
撮った写真を改めて見て、我ながら良い写真が多いことに気づきます。被写体が良いのです。
これは現場工程の記録であることを超え、「つくられる光景」と名付け、僕が写真を撮るテーマとしてずっと取り組んで行こうと決めました。(「風景」の方がいいかな・・・)
建築がつくられる光景は、決してキレイなものではありません。オートメーション化され、人の気配がなく、清潔感に溢れた工場のような綺麗さはありません。
汗や汚れにまみれた人間が必ず存在し、時に怒号が飛び交い、様々なモノが散乱しています。油でギトギトの重機が、爆音と煙を撒き散らしています。
そうしたエネルギッシュな光景は、今、そこに一瞬しか存在しません。まさに時間を切り取る、写真の独壇場。
そして、撮った写真を並べてみると、僕は「つくる人々」に意識的にレンズを向けているのがわかります。モノと日々向き合う人々は、ただ真剣であるというだけでなく、独特の眼差しを持っていると感じます。これこそが被写体として最高なのであり、その眼差しを発見できるのは、現場に足繁く通い、職人さんとコミュニケーションできる設計者の特権です。
クライアントのご主人も家造りをキッカケに写真に興味を持ち一眼レフを購入され、現場に足繁く通って撮影をしながら、メキメキと腕を上げていらっしゃいます。
G-Houseが完成した暁には、完成見学会を兼ねて、工事中の光景を撮った写真展を同時開催しようと話しています。
出来た空間と、出来るプロセスを同時に観ることができる、なかなか面白い企画ではないでしょうか。
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